iPhoneが熱くなる原因と対処法
日本のスマートフォンは、Apple社のiOSを搭載したiPhoneとAndroidOSを搭載したAndroidが主流なのは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。実際、日本のスマートフォン市場は、iPhoneとAndroidがほぼ独占している状態です。
特に、iPhoneは操作性の簡便さや周辺機器の豊富さ、MacやWindowsとデータの自動同期が可能であることなど、非常に使い勝手が良いことから特に人気があります。
また、App Storeから入手できるアプリは、Apple社の審査が必要であることから、安全にアプリを利用できるというメリットもあります。
そのため、iPhoneで目覚ましをかけたり音楽を聴いたり、1日の中で触らない日はないほど日常生活の一部として利用している方もたくさんいます。
しかし、使う頻度が高ければ高いほど、故障や不具合も起こりやすいものです。
例えば、落として画面が割れたり、水没してしまったり、本体が熱くなってしまったというトラブルのご経験がある方もいらっしゃることでしょう。中でも、本体が熱くなってしまうトラブルが一番多いです。
iPhoneは、パソコンと同等レベルの性能を持っており、動作の処理もパソコンと同じ「CPU」という部分で行っています。CPUは、動作を処理する際に発熱し、処理が終わると発熱も収まります。そのため、普通でしたら少し時間をおけば熱は冷めるものですが、いつまでも処理が終わらなければ発熱し続けてしまいます。その場合、持っていられないほど熱くなり、iPhoneが動かない状況に陥ってしまう場合もあります。
それでは、iPhoneが熱くなってしまう理由は一体どのような症状や原因が考えられるのか、快適に使うためにどのような対策をすれば良いのかを見ていきましょう。
―iPhoneが熱い時に起こる症状―
いつまでも熱いままにしておくと、様々な症状も出てきます。
症状としては、以下のようなものが挙げられます。
・ 画面が真っ暗になってしまう、フリーズする
・ 温度に関する警告画面が表示される
・ 充電ができない、充電中に異常な発熱をするようになる
・ カメラのフラッシュ機能が使えなくなる
・ アプリが起動できなくなる
・ ホームボタンが発熱する
・ 電池の消耗が激しくなる
・ バッテリーが膨張してしまう
・ Wi-Fiが圏外になってしまう
この中でも特に深刻な症状は、画面が真っ暗になってしまったり、フリーズしてしまうことです。フリーズしてしまった場合、始めのうちは再起動で一時的に解決しますが、根本的な原因を解消しなければまた同じ症状に悩まされることになります。長く対処しないままでいると、次第にフリーズの回数が増え、最終的には再起動させてもリンゴのマークから動かなくなってしまうため、早めの対策が必要です。
また、温度に関する警告画面が表示されると、本体の温度が下がるまで使うことができなくなるため、注意が必要です。また、これらの症状が2つ以上重なると、本体が異常に熱くなる「熱暴走」の状態に陥ります。触れないほど熱くなってしまったら、すぐに対処した方が良いでしょう。
―iPhoneが発熱する原因―
iPhoneが熱を持ったままにしてしまうと、動作にも大きな影響を及ぼします。
異常な発熱をしてしまう原因には様々なものが挙げられますが、大きく分けると「外部からの熱」と「内部からの熱」、「バッテリーの熱」の3つに分けることができます。
■外部からの熱
熱によるトラブルは、1年を通して夏が最も多くなるほど、外からの温度による影響を受けます。そのため、夏場はもちろん、温度の高い室内でも熱を持ちやすくなります。
また、iPhoneは金属でできていることから、直射日光でも発熱します。暑く天気の良い日などに外で使用すると、熱を持つ可能性が高くなります。また、充電する際にも発熱するため、温度の高い環境で充電をすると、熱を持つ可能性は特に高くなります。
iPhoneは外気温に影響を受けるため、持ち運びの際にズボンのポケットなどに入れて保管すると、意外と人の体温で温められます。特に、アプリなどを起動したままポケットに入れてしまうと、本体の温度はさらに上がります。ポケットは熱がこもりやすいだけでなく、出し入れする際に落として画面を割ったり、水没させてしまう危険性があります。そのため、ポケットに入れて持ち歩くのは、できるだけ避けた方が良いでしょう。
また、ケースに入れて使っている方も多いかと思いますが、仕様によっては熱がこもることがあります。特に、手帳タイプのカバーはiPhoneを覆い尽くしてしまうため、熱がこもる原因になります。しかも熱くなっていることに気付きにくく、画面を触るまで気付かなかったという事例もあるため、手帳タイプのような熱のこもりやすいケースは避けた方が良いでしょう。
■内部からの熱
iPhoneは、処理をする際に発熱します。
例えば、アプリを起動して使用すれば、iPhone内部のCPUが稼働して発熱する仕組みになっています。アプリを閉じれば処理も終わり、それ以上の発熱は基本的にはありません。しかし、アプリを長時間利用した場合や、複数同時に起動させたり、開きっぱなしの場合は、CPUも動き続けるため発熱し続けます。特に、ゲームなどの処理が重いアプリやGPS機能を起動していると発熱しやすいため、使う際には注意が必要です。
また、アプリを使用していないにも関わらず発熱している場合は、CPUが故障し、プログラムエラーが出ている可能性があります。この場合には早急に対処しましょう。
■バッテリーによる熱
iPhoneは、充電する際にも発熱します。
充電しながらの操作や充電が終わっても充電器に挿したままにしてしまうと、バッテリーが過度に発熱するため、注意が必要です。本来、充電が100%になったら充電器から外すのが理想だといわれています。そのため、就寝前に充電するのではなく、出かける前や帰宅後に充電すると良いでしょう。
ほかにも、アプリなどで電池を一気に消耗したり、自己制御しようとしていたり、あるいは故障ということも考えられます。
バッテリーの熱もCPUと同様に、しばらくすると自然と冷めてきますが、触れないほどの熱さであったり、バッテリーが膨張している場合には、すぐに修理を考えましょう。
また、電池の消耗が早かったり、バッテリーの膨張と並行して発熱している場合には、バッテリーの寿命の可能性もあります。この場合は、早めの修理や交換依頼をおすすめします。
―iPhoneが発熱した時の対処法―
Apple社によると、iPhoneが正常に作動する温度は0~35度といわれています。そのため、この範囲を超えないようにすることが必要です。
本体の温度が35度を超えてしまうと制御機能が働き、操作ができなくなる可能性があります。そのため、発熱してしまった場合は、早急に冷ます必要があります。
ただし、冷蔵庫に入れたり、保冷剤をあてて急激に冷ますと、本体内部で結露が発生し、故障の原因につながります。そのため、本体内部に結露が起こらないように注意が必要です。
では、安全にiPhoneを冷ます対処法にはどのようなものがあるのかを見てみましょう。
・ ケースを外す
・ 充電をやめる
・ 起動しているアプリを終了させる
・ 使用を控える
・ 涼しい場所に置く
発熱してしまった時は、まずはケースを外しましょう。ケースによって熱のこもり具合は違いますが、散熱加工がされていないケースを使っている場合には外した方が良いでしょう。
また充電中であれば、充電を中断し、起動させているアプリやwebブラウザなどは全て閉じて、緊急の連絡がない場合には電源を切るのも効果的です。
その他にも、エアコンや扇風機の風をあてると効果があります。急いでいる時や重い処理が必要なアプリを使う時などは、エアコンや扇風機の風をあてながら使うのもおすすめです。
―iPhoneの発熱を最小限に抑えるコツ―
動かなくなったり、故障して修理に出すという事態は避けたいものです。長く使うためにも、発熱を最小限に抑え、普段から熱を逃がしやすい環境にしておくことが大切です。
それでは、発熱を最小限にするための方法を実際に見ていきましょう。
■空き容量を増やす
端末内にデータがたくさんあると、処理にも負荷がかかり、発熱しやすくなります。
データなどで容量を圧迫してしまうと、動きが遅くなったり、強制終了してしまうことがあります。写真や動画、アプリなどをたくさん入れている場合、移動させられるデータはUSBメモリやmicroSDなどに移動し、不要なデータやアプリを削除することで負荷を減らすことができます。
データを減らせない、削除できないという方には、メモリを開放する「メモリ開放アプリ」というがアプリがあります。メモリ解放アプリは、iPhone端末内の不要なデータを最適化してくれます。このアプリを利用すると、開きっぱなしにしているアプリを終了させずに、メモリを開放することができます。
メモリを開放する以外に、バッテリーセーバーというアプリもあります。このアプリでは、今どのアプリがどれくらいメモリを使用しているのかを確認することができるのです。稼働状況を一目で把握でき、不要なアプリはバッテリーセーバーから終了させることもできます。
その他にも、CloudサービスやDrop Boxなど、データを保存できるオンラインサービスもあります。ご自身に合ったものを利用すると良いでしょう。
■移動の際にはWi-Fiの接続を切る
iPhoneは、電波を探す際にも熱を発生します。特に、電車などでの移動中にWi-Fiを繋いだままにしておくと、iPhoneも移動しながらWi-Fiを探さなくてはいけないため、動いていない時よりも負荷がかかります。そのため、特に必要がない場合にはWi-FiをOFFにしておくと良いでしょう。Wi-Fi以外にも、BluetoothやiCloudなど、使っていない機能はOFFにしておきましょう。
■カバーを見直す
iPhoneカバーにはたくさんの種類があります。しかし、分厚いカバーは熱がこもりやすいため注意が必要です。中でも、革でできたものや手帳タイプのカバーは熱がこもるため、可能であれば変えた方が良いでしょう。熱がこもらないようにするには、熱伝導率の高いアルミ製のカバーやプラスチック製のカバーなど、厚みのないケースがおすすめです。
―まとめ―
iPhoneは処理をする際に熱を持つものですが、必要以上に酷使してしまうと、異常な発熱をしてしまうだけでなく、iPhoneやバッテリーの寿命を縮めてしまいます。
しかし、普段から少し気を付けるだけで、熱さを軽減し、iPhone自体の寿命を延ばすことができます。対処法やコツはどれも難しいことではありません。ぜひ試してみてください。