節約上手になるためのネット取引活用法 -ネットオークションとネットフリマ-
ネットオークションは、パソコンやインターネットの普及によって1990年代から急速に広まっていった電子商取引のことです。 1999年9月にヤフーオークション、次いで楽天オークション、同年11月にはリクルート、dena 、ソニーの共同経営によるビッターズがサービスを開始し、3社が中心となりオークション業界をけん引した結果、現在に至ります。
ネットフリマは、スマホの普及によって2012年7月にフリル、2013年7月にメルカリがサービスを開始しています。気軽に操作ができるという点から利用者が増え、アプリのダウンロード数が2000万人を超えるものもあります。
昨今の「所有」から「シェア」への消費者意識の変化も後押しをしていることもあり、ネットの個人間取引は重要なツールとして、今後ますます需要が高まっていくと予想されます。
―「個人間取引」のメリット―
ネットオークションやネットフリマは「個人間取引」であり、個人間同士で売り買いをすることです。
通常は、事業者から個人が商品を購入する際、発生する消費税が個人間同士ではゼロ、つまり消費税がかからないことが特徴であり、最大のメリットでもあります。
その他にも特徴をいくつか挙げていきます。
・誰でも参加できる
・売る側が店舗を必要としない
・店舗では見つからないレアなものが見つかる可能性がある
・定価が安い
―ネットフリマとネットオークションの違い―
要らなくなった不用品を売ることに関しては、ネットオークションもネットフリマも同じですが、いくつかの違う点があります。
■ネットオークション
・最初に、売る側が売りたいものの出品価格を決めて、欲しい人が何人もいた場合、価格を上げて行き、最終的に高額の入札をした人が落札します。
・パソコン経由が多いです。
・男性客が多く、商品撮影にこだわっている傾向があります。
■ネットフリマ(アプリ)
・出品時に、販売価格を売る側で決められ、即決価格で買える、つまり価格が安いうえに変動しません。時には、価格の交渉が行われています。
・アクセサリーやレディースファッションを扱う女性専用のアプリや、子育て中のお母さん向けに子育て情報の共有、ベビー用品、オモチャを扱うアプリがあります。
・スマホで気軽に扱えるため、女性の利用者が多いです。
・アイドルグッズ専用のフリマアプリ、ゴルフ関連等の珍しいアプリもあります。
―ネットフリマ(アプリ)に出品する際のメリット・デメリット―
出品する側からの、メリット・デメリットをいくつか挙げてみます。
◇メリット
・スマホを使って商品を撮影するため、簡単で出品が楽です。
・市場が狭い分、通常の市場価格よりも安い価格で提示すれば、オークション相場よりも多少高くても、売れる可能性が高いです。
◇デメリット
・売る側のコストとして、販売手数料10パーセントが発生します。手数料に加えて、振込み手数料315円がかかるサイトもあります。
―ネットオークションに出品する際のメリット・デメリット―
◇メリット
・希望価格でオークションに出品することが可能です。
・買取り業者の利益分がかからないため、売る側が高い金額で取引できます。
・出品者保護のための規約が設けられているサイトがあります。
◇デメリット
・商品によっては高額な手数料の発生や、出品する場合には発送時の梱包に手間がかかります。
―ネットフリマ・オークションに出品する際のコツ―
出品する側として少しでも高く売るためのちょっとしたコツをご紹介します。
■ネットフリマ
◇市場価格を知る
出品する商品がどのくらいの価格で出品されているか。相場を知ることがポイントとなります。
◇最新の売れ筋商品を知る
出品する商品の見極めが必要であり、「どんな商品が売れているのか」を探すことができるリサーチ機能があるので活用するのも1つの手です。
◇価格設定
購入者にとって、価格はどのショップで購入するかの重要な決め手になります。赤字にならないように注意して、1円でも安く出品することをお勧めします。
◇ユーザーの性別や年齢層
ユーザー層を考えて出品する必要があります。それは、年代や性別によって求める商品が大きく変わってくるためです。
◇使用する(と予想される)シーズン商品
出品する季節によって売れる商品が異なります。1シーズン、または2シーズン先のものを出品することが大切なコツになるといえます。
■ネットオークション
◇出品時期
シーズン物は店頭でまだセールが行われていないため、欲しがる人が出てくる、シーズン前から始まってすぐのタイミングが出品の狙い目になります。
◇出品日時
オークションの終了時刻によって、落札価格が大幅に変わってきます。
主婦の方や社会人の方はそれぞれの活動時間が明らかに違うため、その点を考えて出品しましょう。
主婦向けの品は平日の12時から13時、社会人や学生向けの品は土曜日、もしくは日曜日の22時から23時を目安に出品するのがお勧めです。
その他大型連休や企業の給料日であることが多い25日以降にしたりするなど、日を選ぶこともポイントです。
◇1円スタート
開始価格を1円に設定すると、価格が安い順に並べ替えた場合、目立つ位置にきやすくなり、より多くの人に注目してもらうことができます。大体いくらぐらいで落札されそうなのか、最低いくらだったら譲ってもいいのかをよく考えたうえで価格設定をします。
あまり落札者のいない物で1円スタートしてしまうと、1円のままで終了してしまう場合があるため注意が必要です。
◇送料込みでの出品
出品する時は、落札システム利用料がかかるサイトがあります。利用料が落札金額の大きさによって変わってくるため、この点でも注意が必要になります。送料込みで出品する場合は、よく計算しておくことをお勧めします。
◇出品商品の情報は詳しく
出品時には、商品に傷や汚れ、しわ、色むら等がないか、しっかり確認と点検をしてください。
思っているよりも、傷が目立ったり汚れている場合があります。細かいマイナス情報もしっかり記載することで信頼に繋がり、返品などのトラブルを避けることにもなります。
その他、商品情報も集めておきます。
・購入場所
・保証書、付属品などの有無
・正式な型番、メーカー、商品名
・使用期間、使用回数
・サイズ、大きさ
・重さ、素材
・必要な商品情報をタイトルに盛り込む
商品情報などの必要事項を盛り込んだタイトル以外にも、例えば「結婚式に」「入学式に」など使用するシーンを盛り込んだり、対象を「○○のファン必見」「○○の足の方に」等のこんな人にお勧め、というワードを入れるとイメージがしやすくなります。
つい買いたくなってしまうという商品は、落札者の心を引きつけるタイトルが多いため、1つの方法としてお勧めです。加えて、なぜ手放すのかという出品の動機や、保管状況なども書くことで、落札者に安心感を与えます。
ネットオークションとネットフリマ共通のコツとして挙げられるのが、商品の写真を綺麗に撮ることです。出品するうえではとても重要なことであり、興味を引くような写真を撮る必要があります。
―まとめ―
今後、消費税が10パーセントに上がったり、商品の値上がりがある中で、個人間取引は成長という点でも目が離せない、大きなマーケットになってくるはずです。
使えるものの再利用は資源の有効利用の1つとして、環境省も注目しています。
買う側のメリットは消費税がかからず、安く物が買えることであり、出品する側は不用品がお金に換わるメリットがあります。眠らせているだけではゼロ円ですが、市場に出せばお金になるということを知っておくことで、毎日の生活がより良いものに変化してくるのです。
ネットオークションとネットフリマの良いところを上手に取り入れて、ぜひ活用してみてはいかがでしょう。